「ベンチャー企業に入ると早期に成長ができる」
そう聞いて20代からベンチャー企業へ興味を持つ方も増えてきているように感じます。しかしベンチャー企業は経営基盤が安定していないことが多く、入社するにはリスクも伴います。
今回はリスクを負ってでも成長のためベンチャー企業を検討している方向けに、ベンチャー企業に入社すると本当に成長するのか?を私の体験談を元に解説していきます。
※後半ではベンチャー企業の選び方も解説しておりますので、参考にしてみてください。
リアルなワイの歩んだキャリアも載せておくから参考にしてくれな
著者名:こつろー。28歳。
- 新卒にて創業6年目の人材系ベンチャー企業へ就職。約4年間の在籍でキャリアアドバイザー、法人営業、事業責任者としてメンバー15人のマネジメントなどに従事
- ベンチャー企業のみに絞って就活
- 2024年1月に創業1年目の人材系ベンチャー企業へ転職し現在に至る
- ベンチャー企業しか知らない
そもそもベンチャー企業とは
ベンチャー企業に明確な定義はございません。一般的には下記のような企業をベンチャー企業と指します。
・設立~10年目くらいの企業
・大手企業がやらない独自性の高いサービスを運営している企業
・まだ成長フェーズの企業
ベンチャー=venture(冒険)に由来しているため、新しいことに挑戦し続けまだ成長段階にある企業とベンチャー企業と定義して良いでしょう。
結論:ベンチャー企業は成長できる
早速結論ですが、ベンチャー企業は成長できます。なんなら、圧倒的に成長ができると考えても良いでしょう。しかし、ベンチャー企業に入ったら勝手に成長できる、という訳ではありません。条件は大きく2つです。
・業績が伸びている企業に入る
・結果を出す(会社に貢献する)
これらが揃って初めてベンチャー企業は成長できる、といえます。それぞれ理由を簡単に解説します。
ベンチャー企業で成長できる条件2つ
業績が伸びている企業に入る
ベンチャー企業で成長するためには、業績が伸びている企業に入った方が良いです。理由はすごくシンプルで、業績が伸びている企業の方が単純に任される業務が多いからです。
では業績が伸びている企業の方が任される業務が多くなるのはなぜでしょうか。下記表をご覧ください。
業績が伸びている企業 | 業績が伸びていない企業 |
業績が伸びているため、新規事業に投資 ↓ 人手が必要となる ↓ 1人1人の業務量が増える、新しい業務に挑戦できる | 業績が伸びない ↓ 新規事業へ投資ができない ↓ 結果が出るまでひたすら同じ業務 |
業績が伸びているベンチャー企業は投資をして新規事業を創出していくことが多いので、その分既存の社員の方は色んな業務に挑戦できる可能性が増えます。
なお、業績が伸びているかどうかを判断する方法としては、下記を参考にしてみてください。
- 「前年比○○%成長」という文言がある(確実に前年より伸びている)
- 数年に1つは新規サービスをリリースしている(資金がないと事業投資できない)
- 採用をしている(資金がないと採用ができない)
- オフィスが都心(家賃が高いため資金がないと借りれない)
あとは面接で確認するなら社員が直近どのくらい増えたか、今後何人くらい採用しようとしているのかとかやな
結果を出す(会社に貢献する)
はっきり言うと、ベンチャー企業に入っただけでは成長できません。目先の結果を出し続けた先に成長があります。これも理由は簡単で、企業は結果を出している人に重要な仕事を任せるからです。
例えばですが、新しい仕事を任せたいとなったとき、
社員A | 社員B |
営業プレイヤーとして2年間働いているものの、結果は毎月安定せず。 | 営業プレイヤーとして入社1年目で毎月目標達成。年間売り上げ社内1位。 |
みなさんはどちらに仕事を任せたいでしょうか?入社歴は短いですが、当然社員Bですね。人手の少ないベンチャー企業とはいえ、結果をだしていない人に新しいことを任せるのはリスクが大きいです。
結果を出せば企業から評価され、信頼され、新しい仕事が回ってきます。その上でベンチャー企業は人手が少ないため、結果を出している人には早期から色んな仕事を任せていく可能性が高いということです。
そのため、まずは与えられた役割に対して結果を残すことがベンチャー企業で成長するためには必要となります。
深いことは考えず、まずは目先の結果だけ追い求めよう。絶対仕事は回ってくるで
ベンチャー企業が成長できる理由5選
成長できる条件が揃った上で、なぜベンチャー企業では成長ができるのか、5選紹介していきます!
結果を出せば業務が増える
前述の通り、ベンチャー企業では結果を出せばどんどん業務が増えます。企業が新しいことに対して意思決定をするときに、優先的に結果を出している人から選ばれていきます。
ベンチャー企業は人手が少ないため、部署異動で人手を補うということはあまりできません。そのため、一人一人の任せる業務量を増やしていくことが多いです。
具体的にどのように業務が増えていき成長していくのかは後述する「キャリア例」を参考にしてくれな
自分の意見が通りやすい
ベンチャー企業は細かいことを決めるよりもどう売り上げを伸ばすか、を考えているフェーズのためまだルールやマニュアル化がされていないことが多いです。
そのため、「もっとこうした方がいいのにな…」と業務中に思うことは多々あります。実はその意見が、上司や役員が今まで考えられていなかった内容であることもあります。そのため、自分の意見が採用され、まずはやってみる、ということがしやすい環境です。
ただの指示待ち人間ではなく、自分の考えを実行し、結果を振り返る…とPDCAサイクルを回せるため、結果的に成長してくことができます。
「自分でどれだけ意思決定をしてきたか」というのは成長していくためには必須。どんどん主体性を持って意見していくんやで
事業の伸ばし方がわかる
ベンチャー企業は新規事業が次々とサービスが立ち上がるため、ほとんどがリリース間もないものです。これから伸ばしていくフェーズのため、事業がどんどん大きくなっていくのを実感できます。
どういう動きをして、どのように伸びていったのかがわかるので、新規事業の立ち上げ方や1→10の伸ばし方のノウハウやスキルなどが身に着けられます。
そもそも事業はどうやって伸ばしていくのか、という根本の考え方はどのビジネスにも応用が利くので大事やわな
逆に失敗例もたくさん学べる
ベンチャー企業は立ち上げた事業がすべて成功しているわけではありません。むしろ失敗している事業の方が多いです。何度も事業を立ち上げ、当たったものが生き残っているケースが多いです。
そのため、失敗例が社内でゴロゴロと転がっています。個人的には、成功例を学べるより失敗例を学べることの方が成長できると思います。
成功した例をそのまま参考にしても、何らかの原因でうまくいかないケースが多いです。「何をしたら失敗をするのか」という事例があれば、それを避けながら成功の道を模索するので成功率が格段にあがります。
ワイは前職の上司が社長やったから何かの意思決定を相談した時に「過去それで失敗したから辞めた方が良い」とよく言われた。心の中では知らんがなって思ってた。
業務難易度が高い
特に営業職に言えることですが、ベンチャー企業が運営するサービスは基本的に認知度は0です。世の中の誰一人知らないくらいに思っても過言ではありません。
そのため、サービス提案をしても信用してもらえなかったり、そもそも話を聞いてもらえないなんてことはザラにあります。サービス力が無い分、個人のスキルを高めて契約を取るしかないのです。
どうすれば契約が取れるか日々試行錯誤するので、必然的にスキルは上がっていき成長していくということです。
まぁ100万回くらい心折れたけどな。ほんで「こんなん無理やろ!」って200万回くらい叫んだけどな
ベンチャー企業からの具体的なキャリア例(実体験)
著者のキャリア例
まずは新卒で創業6年目の人材系ベンチャー企業に入社した私のキャリア例です。
次に私の前職の先輩のキャリア例。
この4年間で行ったことはキャリアアドバンサー、リクルーティングアドバイザー、求人広告の営業、新規事業部立ち上げ、メンバーマネジメントなど。年収は1年目から2倍になりました。
個人的な感想として、資金があれば人材業界では独立できそうかな…くらいの経験とスキルはついたと思います。
大手企業の経験はないですが、周りからの情報によるとおそらく大手企業で新卒から4年間でここまで経験できるのは難しいと思います。
自分で言うのもあれやけど、かなり成長できたと思うし綺麗にキャリアアップができた自負もある。やっぱりキャリアアップすると自信にも繋がるわな
先輩社員A
次に私の前職の先輩のキャリア例。
新卒1年目から社内で圧倒的な結果を残し、2年目には事業責任者、3年目からは部署異動し4年目に法人営業部の事業責任者という流れです。そして、その後退職し独立をしました。
法人営業部では私の前任なのでキャリアは結構私と似ていますね。年収は1年目から比較すると3倍になっています。
社内でキャリアアップを最速でし、最速で独立を成功させた例ですね。
後輩社員B
次に私の前職の後輩のキャリア例。
こちらはすごくわかりやすい例です。1年目、2年目と順調でしたが3年目に一気に年収が下がりました。典型的なキャリアダウンです。
ベンチャー企業は良くも悪くも成果に応じた評価をされるので、3年目であっても成果がでていなければ昇格することも多々あります。
しかし、4年目からは与えられた環境で結果を残し、成果を上げました。結果的に年収は1年目から1.5倍になりました。腐らずに、やり続けた結果キャリアアップができた例ですね。
どん底のときにワイの部下になった。ほんで年収上がった。ワイすごない?
ベンチャー企業の選び方5選
ベンチャー企業とはいっても実際にたくさんあるので、どうやって選べば良いかは難しいと思います。そこで、優良ベンチャー企業の選び方を5選紹介します。
なお、下記記事でもブラック企業の特徴と優良ベンチャー企業の見分け方も詳しく解説しておりますので、あわせて参考にしてみてください。
社長の考え・人柄
ベンチャー企業では社長が命といって過言ではありません。社長の判断一つで、良くも悪くも大きく変化があります。そのため、社長が正しい判断や価値観で経営をしているかを判断しましょう。具体的には、
・論理的で数字に強いか(現実的な経営をしているか)
・感情的ではないか(感情で意思決定をすると誤る)
・誠実か(不誠実な会社はいずれ淘汰される)
このあたりを判断基準としておけば良いと思います。これまで私が伸びているベンチャー企業の社長を見てきた中で、大体当てはまる項目だと思います。
ワイの前職の代表は論理的で誠実やったけど、大分感情的やったわ。そのせいで何人も人が辞めていった。ただビジネスモデルが秀逸やったから、生き残ってたけどな
社員が誠実か
前述の社長が誠実かに通じますが、それが社員にも浸透しているかも同じくらい重要です。例えば、社員に下記のような特徴があれば注意が必要です。
・仕事に対して適当な考え
・人を見下すような態度
・言葉使いが荒い(タメ口など)
社長が誠実だったとしても、社員にこの特徴があると社内に浸透していません。現場に出るのは社員なので、その社員が不誠実な事業運営をしている企業は長くは続かないので注意が必要です。
私も新卒の就活のときに上記のような特徴の企業はありました。そのため、選考中は必ず現場社員と話せる機会を設けてもらうことをおすすめします。
社長も大事やけど、結局一緒に働くのは社員やで。
何の事業をしているかが明確か
たまに企業のHPや採用ページをみていると、一体何の事情をしているかわからない企業もあります。こういう時は大体怪しいので注意が必要です。
・事業内容を詳しく書いてない
・企業コンサルティング(何のコンサル?)
よくわからんときは納得できるまでどういうビジネスモデルなのか選考で確認して。それでもわからんかったら辞めときや
複数事業を運営しているか
複数事情を運営しているか、というのは企業にとって非常に重要です。ほとんどの大手企業は、いくつも事業を展開しています。一つの事業だけだと、万が一事業が衰退したときのリスクが大きすぎるためです。
例えば同じ売り上げの企業が2つあったとします。
企業名 | 事業内容 | 売上 | 累計売上 |
企業A | ・人材事業 ・IT事業 ・飲食店 | ・人材事業…5,000万円 ・IT事業…5,000万円 ・飲食店…3,000万円 | 13,000万円 |
企業B | ・人材事業 | ・人材事業…13,000万円 | 13,000万円 |
例えばA社とB社の売上は同じ1億3千万円です。しかし、なんらかの事業で人材事業が双方衰退したとします。
企業名 | 事業内容 | 売上 | 累計売上 |
企業A | ・人材事業 ・IT事業 ・飲食店 | ・人材事業… ・IT事業…5,000万円 ・飲食店…3,000万円 | 8,000万円 |
企業B | ・人材事業 | ・人材事業… | 0円 |
このように、同じ売り上げだったにも関わらず双方1つの事業の売り上げがなくなった場合、企業Aには8,000万円の売上が残りますが、企業Bの売上は0になります。行き着く先は倒産です。
複数の事業を展開していることで何かあった時のリスクヘッジになります。そのため、企業の倒産率が大幅に下がるため、複数事業を展開しているかどうかは企業選びの中では非常に重要になります。
新しいことするくらいなら給料上げてくれ!って思ってたけど経営判断としては正しいわな
選考で悪いところも言ってくれるか
ベンチャー企業はネームバリューがないため、採用が困難です。そのため、とにかく良い面ばかりを見せて興味を惹かせようとしている企業もあります。
しかし、実態はそうではありません。どの企業にも必ず課題はあります。これを事前に把握しておかないと、入社してから「思ってたのと違った…」とギャップが起きてしまいます。
そうならないためにも、必ず企業の課題や悪い面を選考で言ってくれる企業にしましょう。悪い面を伝えることは企業のマイナスイメージとなるためなるべく避けたいのが本音ですが、逆に伝えてくれる企業は良い企業である可能性も高いでしょう。
前職では社長がSNSでキラキラした面だけ発信してて、それを見て入社した人はことごとく短期離職していった。綺麗に一人残らず。
まとめ:ベンチャー企業は成長できる!
ベンチャー企業が成長できるかどうかについて解説しました。
まとめると、ベンチャー企業で成長するための条件は2つです。
・企業が伸びているかどうか
・結果を出す
さらにその中でベンチャー企業は成長できる理由として、
・できる業務量が多い
・自分の意見が通りやすい
・失敗も学べる
・事業の伸ばし方がわかる
・業務難易度が高い
などがあげられます。
大手・中小・ベンチャーそれぞれにメリットデメリットは必ずあります。元々大手希望でも、自分は意外とベンチャー企業の方が向いているかも?と思うケースもあるでしょう。
今後のキャリアの選択肢として、ベンチャー企業も検討してみてください!
大阪府出身、東京都在住28歳。人材業界歴5年。新卒で創業6年目のベンチャー企業に入社し、約4年間で20代の方を中心に累計2,000人以上の転職をサポート、法人営業部では年間売り上げ全社100人中1位、事業責任者にて部下15名のマネジメント。その後、創業1年目のベンチャー企業に転職。ベンチャー企業の情報を中心に発信し、「ベンチャー企業希望者はこのサイトだけ見ておけばOK!」というサイト作りを目指しています。そして猫好き。