・ベンチャー企業はブラックって聞くけど本当かな…
・ブラック企業ってどんな特徴があるんだろう…
・ベンチャー企業にいきたいけど、優良ベンチャー企業の見分け方が知りたい!
ベンチャー企業には興味があるけど、そんな悩みから挑戦に一歩が踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
近年注目を集めているベンチャー企業ですが、ネットでは「きつい」「ブラック」「やめとけ」など、マイナスな声があるのも事実です。
今回は新卒から創業6年目のベンチャー企業に入社し、その後、創業1年目のベンチャー企業へ転職した私が体験談を元にベンチャー企業がブラックと言われる理由や優良ベンチャー企業の見分け方を解説していきます!
著者名:こつろー。28歳。
- 新卒にて創業6年目の人材系ベンチャー企業へ就職。約4年間の在籍でキャリアアドバイザー、法人営業、事業責任者としてメンバー15人のマネジメントなどに従事
- ベンチャー企業のみに絞って就活
- 2024年1月に創業1年目の人材系ベンチャー企業へ転職し現在に至る
- ベンチャー企業しか知らない
ベンチャー企業はブラックであるは本当か?
結論からですが、「ベンチャー企業はブラックである」というのはほぼ本当です。
もちろん世の中のベンチャー企業の全てがそうではありませんが、残念ながらベンチャー企業のブラック率が高いのも事実でしょう。
しかし、近年は働き方改革などから規制が厳しくなっているため、ベンチャー企業の中でもホワイトな企業も存在するのもまた事実です。
そのためここからは、
・そもそもブラック企業の定義とは何か
・なぜベンチャー企業はブラックであると言われやすいのか
・ブラック企業の典型的な特徴
・逆に優良企業の特徴とは?
上記について詳しく解説していきます。
読者の人にはブラックな環境に行ってしまって人生無駄にしないようにしてほしいんや
そもそもブラック企業とは
そもそも「ブラック企業」ってなんでしょうか?いざ聞かれると、明確な定義を説明するのはなかなか難しいものです。
厚生労働省の運営する「京都新卒応援ハローワーク」では、厚生労働省としてもブラック企業の明確な定義は定めていませんが、『労働法に違犯するような働き方を強制する企業』が、ブラック企業に当てはまるのではないかとしています。
また、同時に一般的にブラック企業と呼ばれる企業の特徴としては下記をあげています。
・労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
・賃金不払残業や、いじめ・嫌がらせ等のパワーハラスメントが横行する等、企業全体のコンプライアンス意識が低い
・採用時に合意した以上のシフトを入れる
・退職を申し出た際に「ノルマ」や「罰金」を理由に辞めさせない
※「京都新卒応援ハローワーク」より
主に「長時間労働」「パワハラ」「賃金未払い」「強引な引き止め」などですね。どれも労働基準法に違反する内容です。
なお、労働基準法についても意外と知らない方も多いかと思いますので、厚生労働省のHPに掲載されている下記記事を確認してみてください。漫画形式で非常に読みやすい内容となっております。
ベンチャー企業はブラックであると言われる理由
ブラック企業の定義はある程度わかりましたが、その中でも「ベンチャー企業はブラックである」と言われやすい理由はなんでしょうか?
ここからはベンチャー企業歴5年の私の体験談も含め解説していきます。
なお、ブラックな面だけではないですがベンチャー企業でよく起こるあるあるネタもまとめた記事や、「気持ち悪い」などと言われる理由をまとめた記事もありますので、あわせて参考にしてみてください。
人手不足で業務過多になりやすい
ベンチャー企業はまだ少人数規模のケースが多いですが、その上で事業拡大フェーズのため必然的に一人一人の業務量が増え、業務過多になりやすいことがあります。
そのため、残業が増え、それが当たり前の社風となってしまうためブラックと呼ばれる原因となっています。
実際に私も前職では1日平均2時間は残業していましたし、月によっては70時間くらい残業した経験もあります。
近年はワークライフバランスを大事にする人も多い中、「残業が当たり前」となるとブラック企業認定されてしまうのも仕方ないのかもしれません。
業績次第で待遇に変動がある
ベンチャー企業は業績が変動しやすく、それに伴い給与なども大幅に変動する傾向があります。
そのため、個人として結果を出せたとしても会社全体の業績が悪ければ給与がほとんど上がらない、ということも起こりえます。
業務量に対して給与が割に合っていない…と感じてしまい、業績が悪いベンチャー企業だとブラック企業と呼ばれる原因となってしまいます。
ただし逆に業績次第で一気に給与が上がる、という可能性もあるため一概に悪いといは言えないですが、安定性の観点で欠けてしまうのは間違いないでしょう。
実績にシビアなためパワハラが起きがち
ベンチャー企業では資金が少なく、さらに融資も受けづらいため赤字を出すことができません。そのため、一人一人が結果を出し続けないとシビアな環境です。
そのため、結果を出していない社員は冷たい目で見られ、会社全体の業績が悪いと詰められる標的となってしまいます。
やがてエスカレートし「これはパワハラだ」という感覚になりベンチャー企業ではパワハラが多いと言われてしまう原因となります。
もちろんベンチャー企業に限らずですが、結果を出せるかどうかについてはよりシビアな環境であることは認識しておきましょう。
ブラックベンチャー企業の特徴5選
通年で大量に採用している
通年で大量採用している企業は注意が必要です。そもそもベンチャー企業は人数が少ないにも関わらず、常に大人数を募集し続けるというのは疑問です。
そのため、大量採用している背景が下記に該当する可能性があります。
・とりあえず採用して合わない人は辞めさせる
・採用しても常に人が辞めまくっている
・ただ会社を大きく見せようとしているだけ
ただし、もちろん事業拡大のためや、労働集約型の事業(人材派遣など)を行っている企業では、大量採用することもあります。
そのため通年で募集しているからといってブラック企業と決めつけるのではなく、募集している背景などを明確に知ることが重要になります。
聞きづらいかもしれんけど、ベンチャー企業の場合は募集背景と離職率を絶対に面接とかで聞くこと
具体的な事業内容が不明
企業のHPや募集ページををみていると、「ところでこの会社は一体何をやっている会社なのだろう?」と思うことはないでしょうか。
私も人材業界にいるため、なんとなく若い人達が多く載っていて、ワイワイ楽しそう!と思ったけど何の会社かよくわからないという求人は山ほどみてきました。
残念ながらこういった企業はブラック企業率は高めです。
公には出しにくい事業なのか、それとも実は形だけで実態は全然違うことをしているからなのか…とにかく怪しさは満載です。
そのため、HPや求人ページを見て何をしているかわからない会社は、辞めておくのが無難でしょう。
若い人が大勢で外でイベントしている写真ばっかりのところは大体怪しい(偏見)
社長が感情的すぎる
「感情的で熱い社長」というのは一見人間味があってよく見えますが、ベンチャー企業においては結構危険です。
まだ事業が安定していないベンチャー企業では、論理的に正しい判断で事業を継続していかないといけません。しかし、感情的な社長は一時の感情で判断を誤り、大きなものを壊してしまう可能性があります。
良くも悪くも、ベンチャー企業における社長の意思決定は膨大な影響力があります。トップが感情で判断をしていると、社員も全員感情で動くようになり、結果的にパワハラなどの原因となります。
そのため、個人的には「内面は熱いが外見は冷静」というタイプの社長がいいでしょう。例えば、市場最速で上場を果たした「株式会社識学」の安藤社長などがそういうタイプでしょう。
ワイも前職の社長が感情的な部分があって、それが嫌で辞めていく人がめちゃくちゃおった。どれだけ採用しても全然純増してないときもあったな
みなし残業がやたら多い
みなし残業とは決められた時間分の残業代を毎月の給料に含まれている制度のことですが、このみなし残業時間がやたら多い場合は注意が必要です。
みなし残業制度は昨今では多くの企業が導入しているので、それ自体に問題がある訳ではないですが、一般的には20~40時間分くらいの企業が多いです。
しかし、稀に求人詳細の給与欄に「見込み残業60時間含む」と記載のあるものがあったりしますが、こういったものはそもそも前提として残業がかなり多い、という可能性が高まります。
仮に残業が60時間の場合、1日平均残業は3時間程度の想定です。実働8時間+3時間+通勤時間…と考えるとプライベートの時間を確保するのも難しくなるでしょう。
給与の詳細は必ずチェック。その上で可能であれば面接のときに平均残業時間とその理由も確認するんやで
面接で良いことしか言わない
面接時に企業説明を受ける際、良いことばかり言われる、アピールの熱量がすごい、といった場合も注意しておきましょう。
ベンチャー企業は大手企業と違ってネームバリューがないため、採用は非常に難しいです。また、事業拡大のためとにかく採用したいので、動機付いてもらうために良いことばかり伝えてくるケースがあります。
どの企業であっても、それぞれ必ず良い点も悪い点もあります。良い点だけを聞いて入社してしまうと、悪い点が見えてきたときに想定していたこととギャップが起き、離職へと繋がってしまいます。
実際に私の友人でも、面接時に代表から土日絶対休み、残業もほぼないと言われていましたが実態は土曜強制出社、定時で上がっている社員は1人もいなかった、というケースもありました。
例えば私がいる人材業界のキャリアアドバンサー職は職種柄、残業はほぼ必ず発生します。一般的には懸念になることなので、面接時でも必ず伝える必要があります。
そのため、「良い企業アピール感」が満載の時は注意しておきましょう。
ちゃんと企業から言ってくれることが理想やけど、言われへんかったら面接で聞こ
優良ベンチャー企業の見極め方とは?
複数事業を展開している
ベンチャー企業は創業間もないことが多いですが、その中でも複数事情を運営しているか、という点は非常に重要です。理由は簡単で、リスクヘッジをするためです。
例えば全て年間の総売上が同じA社、B社、C社があったとします。
3社とも年間総売上は4億円と同じです。しかし、それぞれ行っている事業は異なります。
例えばここに、近年起きたコロナウィルスが蔓延したとします。
コロナによって人の外出が減り、飲食店やホテル、接骨院、旅行事業などは当然ダメージを受けます。極端な例ですが、一気に売上が0になったとしましょう。
A社は飲食店経営もしていますが、コロナでダメージの受けにくい他の事業も3つ展開しています。そのため、コロナの影響があっても売上は1億円減少(25%ダウン)で済みます。
同様にB社も整骨院事業にダメージがありますが、もう1つの事業はダメージを受けなかったため、売上は2億円減少(50%ダウン)で済みます。
しかしC社はコロナでダメージを受けた旅行代理店業しか行っていないため、売上は一気に0になってしまいます。もちろん、倒産まっしぐらです。
残念なことにコロナの影響で多くの飲食店が閉店してしまいました。このように、何かあった時のために複数事業を展開してリスクヘッジしておくことは非常に重要ということになります。
入社したら業績不振で倒産した…とならないためにも、複数事業を展開しているかどうかは指標の一つとして考えておいても良いでしょう。
ワイも前職では5事業してたけど、コロナで2事業なくなった。でも残り3事業でなんとか乗り切った、って感じやったわ
毎年業績が伸びている
優良ベンチャー企業であるかの判断軸として、毎年業績が右肩上がりで伸びているかどうかは非常に重要な指標です。
資金に余裕のないベンチャー企業は毎年利益を出し、さらに事業拡大をするために利益から投資に回していく必要があります。そのため、業績が伸びていないと非常に苦しい状況となってしまいます。
業績が伸び続けると大きな仕事も任される機会が増え、社員の給料も上がり…と良いことずくしです。なお、業績が伸びているかどうかの判断軸としては、下記を参考にしてみてください。
- 「前年比○○%成長」という明確な記載がある
- 数年に1つは新規サービスをリリースしている
- オフィスが都心に移転している
「お金がないとできないことをしているかどうか」をいう基準で見ればええかな
VCから投資を受けている
ベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けているかどうかは優良ベンチャー企業である証明となるでしょう。
ベンチャーキャピタルとは投資家から資金を預かり、将来成長見込みのあるベンチャー企業への出資し運用する企業です。出資したベンチャー企業が上場した際に株式を売却し利益を得る仕組みです。
そのためベンチャーキャピタルも失敗ができないため、企業を精査した上で慎重に投資を行うため、融資を受けたベンチャー企業は優良ベンチャー企業である可能性も高まります。
例えば日本ベンチャーキャピタル株式会社のHPでは、投資先企業(過去二年間)の情報が公開されていますので、企業選びの指標の一つにするのも良いでしょう。
社長・社員が誠実
ベンチャー企業では社長の人柄や判断一つで、会社の業績や社風も決まることが多いです。そのため、社長や社員が正しい判断や価値観で仕事をしているかを判断しましょう。
例えば面接などで下記のポイントをおさえて確認してみると良いでしょう。
・感情的ではなく、論理的に意思決定をしているか
・顧客に対して真剣に向き合う意思が伝わるかどうか
・人を見下すような態度がないか
社長が正しい価値観を持っており、それが社内にも浸透されているかどうかは非常に重要です。
不誠実は会社はいずれ淘汰されますし、その環境に入ると自分自信の価値観まで変わってしまう危険性すらあります。
自らの市場価値を下げないためにも、誠実で正しい価値観を持った企業に入りましょう。
面接で悪いところも伝えてくれる
面接などで課題や悪い面を言ってくれる企業は優良で企業である可能性が高いです。マイナスな面を伝えることは企業にとって避けたいのが本音ですが、誠実に伝えてくれる企業は優良企業である可能性も高いでしょう。
ブラックベンチャー企業の特徴でも記載した通り、ベンチャー企業はネームバリューがないため、採用が困難です。そのため、とにかく良い面だけ見せて興味を惹かせようとしている企業もあります。
しかし実際どの企業にも必ず悪い面は存在するため、入社後にギャップを起こさないためにも事前に必ず伝えてくれる企業を選ぶことをおすすめします。
前職では社長がSNSでキラキラした面だけ発信してて、SNS経由で入社した人は全員短期離職になったわ
ブラックとホワイトの両方を体験した話
ここでは私が前職で経験したブラックな面とホワイトな面を両方紹介します。リアルなです体験談からの内容となっていますので、是非参考にしてみてください。
なお、新卒でベンチャー企業に入って良かった点・悪かった点をまとめた記事もありますので、そちらもあわせて参考にしてみてください。
ブラックな面
業績悪化で事実上の解雇
私が前職に新卒として入社した際、ちょうどコロナが蔓延したタイミングでした。
そのため、一気に業績が悪化し、営業成績の悪い社員5人ほどが事実上の解雇となっておりました。
会社都合にする訳にはいかないため、直接的に言われた訳ではないみたいですが、間接的に雇用継続が難しい旨を伝えられたと聞きました。
コロナでは多くの企業が苦しんだため仕方ない部分もありましたが、当時新卒で入った私からすると「これがベンチャー企業か…」と衝撃を受けた記憶があります。
パワハラが常習化
上記に伴い、コロナの影響で業績が悪化し、社内の雰囲気は最悪でした。そのため、業績を戻すため社内でのパワハラが徐々に蔓延していきました。
特に社長の機嫌が明らかに悪くなり、全員の前で席に呼び出し説教、詰める、などは日常的にありました。
結果的に管理職が疲弊し、そのストレスを部下にもぶつける…と負の連鎖が起きてしまい私の新卒同期も1年目で10人中5人が辞めていきました。
強制残業
こちらも上記のコロナの影響に伴い、業績を取り戻すため社員の残業が強制化されていきました。
例えば定時は18:30退社でしたが、「20:00以降の営業活動」が社内全体の施策として打ち出され、残業せざるを得ない状況となっていました。
もちろん物理的な強制はできないため、定時で帰宅する社員もいましたが「なぜ帰るんだ?」という雰囲気が蔓延しており、当時は地獄のような雰囲気で社員も疲弊してしまっておりました。
ホワイトな面
業績が戻り一気に給与UP
入社当初はコロナの影響で業績回復するまでほとんど昇給はありませんでした。賞与も雀の涙程度で、正直なところ不満も大きかったです。
しかし入社3年目以降から一気に業績が回復し、個人としても結果を残せていたためそこから年収は一気に跳ね上がっていきました。
このように、業績次第では大手企業よりも年収の上がり幅が大きくなる可能性もあるため、ベンチャー企業の魅力の一つともいえます。
残業も大幅に減る
業績が安定し、余裕ができると社内の働く環境も大きく変わりました。例えば、
・ノー残業デー制度(毎週曜日を決めて残業禁止)
・20時以降強制退社(残っていたら怒られる)
前述した「20時以降営業活動」が嘘のような制度です。
このように業績が安定しているとベンチャー企業でもホワイトな環境の中で働くこともできます。
ホワイトな環境で裁量がある中成長スピードの速いベンチャー企業で働くことは非常に魅力が大きいと言えるでしょう。
チャンスが回ってきやすい
ベンチャー企業では成長フェーズのため事業展開していく中で各社員に挑戦しやすい環境でもあります。
そのため、経験年数関係なく、手を挙げればどんな社員でも意見を聞き入れてくれ、挑戦するチャンスはありました。
実際に私も部署異動や新規事業の立ち上げなど希望し、全て希望通り挑戦することができました。
「社員のやりたいことを実現する」というのは場合によってはベンチャー企業の方が可能性として高いのかもしれません。
まとめ:優良かブラックか…見極めが大事!
ベンチャー企業はブラックである、ということを否定することはできません。理由としては、
・業務過多で残業が起きやすい
・業績次第で給与が上がらない
・業績次第でパワハラも起きやすい
上記があげられます。
しかし、ベンチャー企業の中にはブラックな企業もあれば優良企業であることもあります。しっかり見極めるポイントとして、
・業績が伸びているか
・社長・社員が誠実か
・VCから投資を受けているか
上記を基準として判断すれば良いでしょう。
優良ベンチャー企業にいけばメリットもたくさんあるため、しっかりと見極めた上で自分にあった環境を探してみてください!
大阪府出身、東京都在住28歳。人材業界歴5年。新卒で創業6年目のベンチャー企業に入社し、約4年間で20代の方を中心に累計2,000人以上の転職をサポート、法人営業部では年間売り上げ全社100人中1位、事業責任者にて部下15名のマネジメント。その後、創業1年目のベンチャー企業に転職。ベンチャー企業の情報を中心に発信し、「ベンチャー企業希望者はこのサイトだけ見ておけばOK!」というサイト作りを目指しています。そして猫好き。