新卒でベンチャー企業には絶対に行くな?後悔した点と良かった点の体験談

ベンチャーノウハウ
こんな方向けの記事です!

・新卒でベンチャー企業への就職を検討している
・ベンチャー企業のメリット・デメリットを知っておきたい
・経験者のリアルな声が知りたい

マイナビキャリアリサーチLabの「2024年卒大学生就職意識調査」によると、約40%の学生は「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」と回答しています。

しかしネット上では「新卒でベンチャー企業には絶対に行くな」「後悔した」などの意見もあり、実際のところベンチャー企業ってどうなの?と考えられている人もいるかと思います。

今回は新卒でベンチャー企業に就職し、その後もベンチャー企業へ転職した経験のある著者がベンチャー企業へ就職し後悔した点・良かった点を体験談を元に解説していきます!

著者名:こつろー。28歳。

  • 新卒にて設立6年目の人材系ベンチャー企業へ就職。約4年間の在籍でキャリアアドバイザー、法人営業、事業責任者としてメンバー15人のマネジメントなどに従事
  • ベンチャー企業のみに絞って就活
  • 2024年1月に設立1年目の人材系ベンチャー企業へ転職し現在に至る
  • ベンチャー企業しか知らない

なお、ベンチャー企業に関する記事は別記事でも紹介しておりますので、そちらの記事とあわせて参考にしていただければと思います。

そもそもベンチャー企業とは

ベンチャー企業に明確な定義はございません。一般的には下記のような企業をベンチャー企業と指します。

・設立から10年目くらいの企業
・大手企業がやらない独自性の高いサービスを運営している企業

・まだ成長フェーズの企業

ベンチャー=venture(冒険)に由来しているため、新しいことに挑戦し続けまだ成長段階にある企業とベンチャー企業と定義して良いでしょう。

新卒でベンチャー企業には絶対に行くなは正しいのか

新卒でベンチャー企業に行くことを反対されているのはなぜでしょうか?ネットでの声や私の意見などを含めると、下記があげられます。

・業績が安定していないためリスクがある
・教育制度が整っていない
・待遇も良くない
・今後の転職難易度も高い

ベンチャー企業は環境が安定していないため、安定・安心などの面では圧倒的に大手企業よりも劣ります。まだ社会人経験のない新卒からすると、不安があることも事実です。

ただし、もちろんデメリットだけではありません。このリスクを取った分、ベンチャー企業に行くメリットは十分になります。例えば、

・大手企業よりも成長スピードが速い
・成果次第で大手へも転職可能
・主体性が身につく
・独立するスキルが身につく

安定・安心はない分、成長・将来性などはベンチャー企業も大手企業に負けていません。

そのため、将来自分がどうなりたいかによって新卒でベンチャー企業に行くべきかどうかは変わるため、「新卒でベンチャー企業には行くな」というのは半分正解・半分不正解ということになります。

新卒ベンチャーで後悔した点5選

ベンチャー企業へ入社して後悔した点を私自身の経験を元に5つ紹介していきます。あくまで個人的な意見も含まれていますので、参考としてご覧ください。

1.環境変化が激しすぎる

ベンチャー企業は環境変化が非常に激しいです。新規事業が立ち上がりやすい、人の入れ替わりが激しいため人事異動なども頻繁に行われます。実際に私も在籍していた4年間はこんな感じでした。

法人営業部での採用(入社前インターンも法人営業部で参加)だったが、コロナの影響もあり新規事業部のキャリアアドバイザー配属

2年目のある日、突然メンバーマネジメントを任される


その2ヵ月後に別メンバーと急に入れ替え


法人営業部へ異動、メンバーをみていたが次の日から異動と言われる


4年目に突然上司が辞め、即日事業責任者となる

このように、次の日急に環境が変わる、みたいなことは頻繁に起きます。そのため、目標設計も月中で変わり対応していかないといけないため、ものすごく負荷がかかります。

「せっかく業務を覚えてきてそろろそ結果が出せそうだったのに…」と思うことも多かったため、この環境変化の多さは正直キツい部分がありました。感覚値としては入社前に想定していたよりも2~3倍くらい多いな、と感じました。

ベンチャー企業へ就職を考えている方は「自分が想像しているより環境変化は多い」という認識を持っておけば、入社後のギャップは少なくなると思います。

✓会社は変わる前提で、自分がそこに合わせる、という感覚がないと厳しい

2.意味不明なストレスが溜まる

ベンチャー企業にいると、自分の業務と関係ないストレスは結構溜まります。ベンチャー企業は組織化もしっかりできていないですし、コンプラインスも結構ガバガバだからです。

例えば、

  • 他部署が起こしたクレームの対応をできる人がおらず、自分に対応依頼が来る
  • 毎日社長の機嫌を伺いながら仕事
  • 初耳のことをやっていなくて怒られる
  • 飲み会で全員の前でいじられまくる

大体この辺は経験しましたし、周りのほとんど社員も経験していました。直接自分の業務を関係ない部分でのストレスは気付かないうちに蓄積され、突然の離職が起こる、ということもベンチャー企業では少なくありません。

やはりストレス耐性に自信がある人でないと、なかなか厳しい環境と言えるでしょう。

こつろー
こつろー

ワイは大丈夫やと思ってたけど、知らん間にめちゃくちゃ白髪増えてたわ(笑)

✓理不尽なことは起こる、いちいち気にしない人でないと厳しい

3.早期の転職活動は不利

ベンチャー企業で実績を残す前(1~2年目くらい)に転職をしようとすると、転職活動が不利になる毛傾向があります。1~2年目で実績を出すのはどこの企業でも簡単なことではないですが、同じ実績がない人でもどこの企業かわからないところにいた人より、大手にいた人の方が優遇されます。

そのため、ベンチャー企業にギャップを感じて早期に転職活動をしようとすると苦戦するケースが多いです。大手→ベンチャーの転職より、ベンチャー→大手の方がハードルが上がるということです。

実際に私も2年目の時に一度転職を検討しましたが、まだ実績もほとんどなかったので大体面接では渋い反応をされることが多かったです。将来転職も視野に入れられている場合は、まずは成果をあげる覚悟で挑戦した方が良いと思います。

✓どんな環境でも結果を出す前提で取り組まないと将来苦労する

4.社会人基礎マナーがつかない

ベンチャー企業では研修制度などがほとんどないため、「とりあえずやりながら覚える」という体制のため、「社会人基礎マナー」みたいなものは教わった記憶がありません。

そのため、自分が間違ったことをしていることに気付かずに3年目くらいの時に先輩から注意されてようやく気付く、みたいなこともありました。

「いや知らんがな!」って心の中では思ってましたが、仮に社会人基礎マナーを知らないまま転職をしたりすると恥ずかしい思いをします。ある程度の自己学習は必要なことも念頭に置いておきましょう。

上司
上司

企業訪問時のアウターは裏返してたたむんやぞ

こつろー
こつろー

いや初耳ワロタ

✓研修制度、教育環境…変な期待をするのは辞めましょう

5.待遇が不安定

ベンチャー企業は業績が安定していないことも多く、事業拡大のため投資をし続けるためやはり待遇面では不安定さがあります。

私が入社した時はコロナの影響もあり、個人としてはそこそこ成果を出していましたが、1回目の昇給は5,000円、年1回の賞与は50,000円でした(笑)。しかし2年目は業績が回復し昇給幅もあがった、という感じだったので、業績によって待遇の変動は非常に起きやすいと感じました。

そのため、「大手だったらもっともらえてたかな…」と思うことは正直ありました。成果が反映されやすい反面、会社全体の業績の影響も受けやすいためある程度安定して年収は確保したい、と思っている方はあまり向いていないでしょう。

こつろー
こつろー

同期と「さすがに賞与50,000円はやばくね」って愚痴りながら飲んでたの思い出しますわ

✓待遇面、福利厚生…過度な期待はNGです

新卒ベンチャーで良かった点5選

次に新卒でベンチャー企業に入って良かった点5選を紹介します。個人的には新卒ベンチャーで良かったと思っているタイプなので、こちらも参考にしてみてください。

1.仕事に対する視座があがる

ベンチャー企業に入社してくる社員は先輩も含め、仕事に対する意識が高い人が多いため仕事に対する視座が自動的に上がります。自分の中の当たり前のレベルが上がるというイメージです。

また、経営者とも近い位置で仕事ができるので、必然的にコミュニケーションのレベルも上がり、気付いた時には勝手に成長している、みたいな感覚です。具体的な視座の上がり方として、

  • 目標達成なんて当たり前
  • 行動量担保なんて当たり前
  • 周りを蹴落としてでも上に上がる
  • 自分から仕事取りに行くなんて当たり前

思っているより意識の高い社員が多く、そんな環境に身を置けば必然的に自分自身の視座も上がり、成長に繋がります。たまに友人とプライベートで会ったりすると、周りより自分が成長している実感に気付きます。

私自身は成長に重きを置いてベンチャー企業に入ったので、この点は非常に良かったと感じました。

✓与えられた環境が普通だと思って日々業務をすれば勝手に成長している

なお、ベンチャー企業が成長できる理由やキャリアアップ例などは下記記事も参考にしてみてください。

2.実績があれば転職活動で大幅に有利

後悔した点で「早期での転職は不利」と述べましたが、逆に実績をしっかり出せば転職活動は非常に有利になります。

ベンチャー企業という過酷な環境の中、成果を出した人というのは企業側としても欲しい人材です。実際に私も4年目に転職活動をした際は年収600万円以上のスカウトも結構きました。

自分の市場価値が上がっていることに気づいたときに、ベンチャー企業で頑張って良かったな、という風に感じました。

こつろー
こつろー

あまり先のことは考えすぎず、とりあえず目の前のことをひたすら頑張る。気付いた時には成長していて、選択肢も増えている、みたいな感覚やったな

✓結果さえ出せば、大手への転職も可能。大体年収も上がる

3.成果に対する評価はされやすい

ベンチャー企業は人数が少ないため、1人1人が出す成果が企業の業績に直接影響されます。そのため、自分がどれだけ企業に貢献をしたかが見える化されやすいので、必然的に評価はされやすいです。

その分昇給がある、というのはもちろんですがどちらかというと大きな仕事をどんどん任されるようになる、ということが個人的には良かった点です。大きな仕事の経験は間違いなく成長に繋がるので、前述した通り自分の市場価値も上げやすくなります。これはベンチャー企業ならではの良いサイクルですね。

ベンチャー企業=成果が評価されやすい環境
成果を出す

評価される

大きな仕事をもらえる

成長して市場価値が上がる

将来の選択肢が増える

✓とにかく目先の結果を追い続けた先に最高の未来がある

4.外部の人脈ができやすい

ベンチャー企業は取引先数が少ないため、顧客命です。これは職種にもよりますが、営業職の場合とにかく取引先と関係値を築き、別の企業を紹介してもらう、などをして事業拡大をしていきます。

そのため、外部との人脈が作りやすく、将来的に非常に役立ちます。私の場合は転職した際に前職の取引先担当者と連絡を取り、また再度契約をしてもらったりしていましたし、ベンチャー企業から独立する人も前職の取引先を引っ張って、というのは多いと聞きます。

もちろん大手企業でも人脈は作れると思いますが、実際に私が経験してベンチャー企業で培った人脈は非常に強固なものなので、良かったと思った点です。

✓取引先の顧客は大事にしておくと将来楽になる

5.20代でも独立できるスキルがつく

ベンチャー企業で実績を積めば、早期で独立するスキルが身に付きやすいです。ベンチャー企業へ行く人志望動機の中で、将来独立したいから、という理由の人は多いです。

私もそのうちの1人で、本当に独立できるスキルが付くか半信半疑でしたが、実際に独立するスキルは身に付きます。一番の理由は経営者の近くで仕事ができるため経営者目線でのスキルが身につくこと、その上で幅広い業務経験を積めることです。

実際に私も現職へ転職する前に、事業計画を引き、資金さえあれば独立できるな、と考えていました。また、前職の先輩は新卒5年目で2人独立しましたし、独立できるスキルが身につくというのは本当だと実感しました。

そのため、独立思考のある方がベンチャーにいく、というのは個人的には非常におすすめです。

こつろー
こつろー

前職の社長もベンチャー企業出身で、当時の新卒の5分の1くらいは起業してるって言ってたわ

✓独立思考が強い人、迷わずベンチャー企業にいこう

ベンチャー企業に向いていない人って?

下記のような方はベンチャー企業に向いていない可能性がありますので、注意が必要です。

・成長したいとはいえ、ある程度の教育体制は欲しい
・環境変化は激しすぎない方が良い
・キラキラした「楽しさ」を求めている人
・正直そこまでストレス耐性に自信がない

特にワイの同期で1年未満に辞めた5人は、「キラキラして楽しそうだったけど泥臭すぎてキツイ」「ストレスに耐えきれない」が理由で辞めたから特に注意が必要と思うわ

ベンチャー企業に向いている人って?

逆に下記のような人はベンチャー企業に向いているでしょう。

・強い独立思考を持っている人
・ある程度の自由度をもとめている人
・とりあえずキツイ環境に身を置けば自然と頑張れる人
・成長のためならなんでも捨てられるくらいの覚悟がある人

こつろー
こつろー

個人的な考えやけど、例えば最速で成長して自分の市場価値を上げる、独立する、とか将来のビジョンに対しての「手段」としてベンチャー企業を選ぶ人が向いてると思うわ

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